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今園 孝志; 柳原 美広*
Photon Factory News, 22(3), p.18 - 22, 2004/11
全反射臨界角を利用して励起した軟X線蛍光分光を用いて、Fe/Si多層膜の表面から数nmの深さの範囲内にSiOが分布することを明らかにした。これは、最上Fe層に最も近い拡散層であるFeSi層の酸化によって生成したもので、結果的にFeSi層厚は減少する。このことは臨界角から十分離れた入射角で励起した通常の軟X線蛍光分光では得られない全く新しい知見であり、全反射軟X線蛍光分光が表面及び界面にある物質の化学結合状態の分析法として極めて有用であることを示している。
馬場 祐治; 武藤 博
分析化学, 32(8), p.T99 - T104, 1983/00
プルトニウム分析用としてグローブボックスを備えたエネルギー分散型蛍光X線分析装置を試作した。同装置を用いてL,X線を測定することにより、硝酸系において100d/ml~5mg/mlのウラン及び500d/ml~5mg/mlのプルトニウムが定量できる。二次X線の強度は、高濃度領域における事故吸収や酸濃度の変化により影響を受けるが、硝酸鉛(II)を内部標準として用いることにより、ウランで200mg/ml、プルトニウムで20mg/mlまで定量範囲が広がり、同時に酸濃度の影響も補正できる。
富永 洋
Nuclear Instruments and Methods, 114(1), p.65 - 69, 1974/01
大気浮遊塵試料の如き薄い試料の多元素蛍光X線分析の際に、各元素毎にやっかいな薄い標準試料調製をすることなく、簡単迅速に全元素を定量する方法を提案した。すなわち、純元素飽和厚さのX線計数と実効質量吸収係数とを用いて、各元素X線計数を元素質量(単位面積当り)に換算する。その方法の理論的根拠と、実験的な検証について述べた。さらに応用例として大気浮遊塵試料の分析についても説明した。